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『フランシス・ハ』|夢と現実の狭間で揺れる、すべての人へ

更新日:2020.05.29

記事の前編はこちら

『しあわせの絵の具』|不器用なふたりが教えてくれる、ほんとうの幸せ

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス原題: Maudie(2016)116分監督: アシュリング・ウォルシュ主演: サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク 誰かの人生を描いた映画には、静かな力があると思います。大き […]

画像:作品のポスターより引用

フランシス・ハ
原題:
Frances Ha(2012)86分
監督: ノア・バームバック
主演: グレタ・ガーウィグ

誰かと自分を比べて落ち込んだり、将来に不安を抱えたり——。 自分の「好き」を追いかけたいけど、現実はそう甘くない。

『フランシス・ハ』は、そんな“人生のもやもや期”を生きるすべての人に優しく寄り添ってくれる映画です。 夢を追いかける不器用な主人公の姿に、励まされ、共感し、思わずクスッと笑ってしまう。

観終わった後、「もう少し自分に優しくしよう」と思える、そんな1本でした。

あらすじ

ニューヨークに暮らす27歳のフランシスは、プロのダンサーを目指している。 しかし、所属していたカンパニーから外され、同居していた親友ソフィーとも離れ離れに……。

仕事も住む場所も、そして友情までも失いそうになりながら、人生の再スタートを模索していく。 故郷のサクラメントで家族と過ごすクリスマス、弾丸のパリ旅行、ルームシェアの生活——。

様々な経験を経て、自分なりの表現と生き方を見つけていく彼女は、やがて振付師として新たな道へと踏み出していく。

印象に残ったシーン

デヴィッド・ボウイの「Modern Love」に合わせて、NYの街を無邪気に駆け抜けるシーン。

作品全体がモノクロのなか、音楽と動きで一気に“生きてる実感”が湧く名場面。 何者でもない自分を、愛しく思える瞬間にぐっときました。

美容師として気になった部分

主演のグレタ・ガーウィグが身につけるファッションは、60年代の映画からインスピレーションを得たスタイル。

  • 柄物ワンピースにスパッツ重ねのレイヤード
  • メンズライクなオーバージャケット

自由で、どこか不器用で、でも愛らしい。 ニューヨークの街並みに自然と溶け込む“型にはまらないおしゃれ”が魅力的でした。

あとがき

この映画は、成功する人の話ではありません。 だけど、どこか自分と似た主人公が、不器用ながらも歩みを止めない姿に、観る人はきっと救われるはず。

誰の人生にも「うまくいかない時期」はある。だけど、それを愛おしく思えるようになれたら——。

『フランシス・ハ』はそんな視点をくれる映画でした。

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