あらすじ
カナダ東部の田舎町で叔母と暮らすモードは、幼少期からリウマチを患い、身体に障害を抱えていた。家族からも社会からも距離を置かれ、孤独な日々を送るなかで、唯一の喜びは絵を描くことだった。
そんな彼女は、魚の行商をしているエベレットの家で住み込みの家政婦として働き始める。 最初は冷たくぶっきらぼうだったエベレットと、少しずつ心を通わせるようになり、やがてふたりは結婚する。
やがてモードの絵は口コミで広まり、彼女の人生は静かに、しかし確実に動き出していく——。
この映画を紹介したい理由
社会から孤立しながらも、自由と絵を愛して生き抜いたモード。 そして、そんな彼女を最初は冷たく、でも次第に深く理解していくエベレット。
病、孤独、貧しさ——人生の厳しさを背景にしながら、彼女の描く色とりどりの絵と、ふたりが育んでいくささやかな愛が、観る者の心に温かく染み込んでいきます。
実話をもとにしたこの作品は、「生きること」と「誰かと共に在ること」の意味を、静かに、力強く問いかけてきます。
印象に残ったシーンと感じたこと
愛情表現が苦手で、口下手な夫が、妻に酷いことを言ってしまう。 でも、どこかに「ちゃんと想ってる」という心が見え隠れする——
そんな夫婦の距離感が、とてもリアルで、あたたかくも切なかったです。
「幸せは、意外とすぐそばにある」 そんな当たり前のようで見逃しがちな大切なことを、ふたりの不器用なやりとりが教えてくれます。
私は号泣でした。
美容師として気になった部分
- モードの描く絵がとにかく素敵で、色使いや構図が本当に勉強になる!
- 派手ではないけれど、ファッションも味わいがあり、どこか愛らしい
- 長く伸びた髪や、質素だけど凛とした姿勢に、女性らしさの本質を感じました
あとがき
静かな映画がくれる、大きな力
この映画はカナダでの実話。 幼少期からリウマチを患っていたモードと、厄介者として扱われた男性エベレットが出会い、結婚し、困難を乗り越えながら、絵と共に生きていく物語です。
演じたサリー・ホーキンスとイーサン・ホークの演技力も圧巻で、まるで本物かと思うほど。
涙なしでは観られないけれど、観た後にはきっと心が優しくなっている。
“美しさって、こういうことなのかも。”
そう思わせてくれる一作です。まだ観ていない方は、ぜひハンカチを持ってご覧ください。