出会いは2020年の夏、一本の“美しい線”に心奪われて
「そろそろ新しい革靴がほしいなぁ」と思いながらも、なかなか“これだ”と思える一足に出会えずにいたある日。
ふと目にした友人の足元に、僕の心は釘付けになった。
それが、カルマンソロジーとの出会いだった。
実際に足を通してみて驚いたのは、日本人の足型に寄り添う“フィット感”。
そして、上から見たときの立体的なふくらみ、土踏まずのくびれから生まれる美しい曲線。
繊細で丁寧に仕上げられたデザインに、一瞬で心を奪われた瞬間だった。
CALMANTHOLOGYとは?
CALMANTHOLOGY(カルマンソロジー)は、デザイナー金子 真(かねこ まこと)氏が2018年に立ち上げた日本製の革靴ブランド。
ブランド名は、CALM=静けさ、ANTHOLOGY=詩集
このふたつの言葉を合わせ、「言葉なき詩集」という意味が込められている。
哲学の源には、写真家アジェの思想があるという。
「静かで詰らぬ世界を切り取り、対象への比類なき没頭を繰り返すことでたどり着く最高度の魅力。」
この言葉そのままに、カルマンソロジーの靴は“派手さ”ではなく、“品と思想”を宿すプロダクト。
「伝統と進化」をテーマに、日本人らしい感性で再構築されたレザーシューズは、現代を生きる大人の男性に向けた、新しいスタンダードを示している。
■ 僕のカルマンソロジー・コレクション
ここからは、僕がこれまで出会ってきたカルマンソロジーの愛用品たちをご紹介。
1足ずつ、購入順にその魅力を語ります。
① A1583 U.TIP(2020年購入)|“原点”の一足


初めて手にしたカルマン。ローカットのUチップ。
上から見ると、ふくらみとくびれが描くような美しいフォルムにうっとりする。
スーツにもカジュアルにも馴染む万能さで、履く頻度もダントツ。
まさに“相棒”と呼べる一足。
② A918 LONG WING TIP(2021年購入)|勝負の場にふさわしい色気


シューレースの先で揺れるタッセル。
メダリオンの繊細なステッチが、足元に“色気”を与えてくれる。
フォーマルな場やセットアップスタイルにぴったりの一足で、
“ここぞ”という日に履きたくなる存在。
③ A5994 D.CHUKKA(2022年購入)|個性と実用を兼ねたチャッカブーツ


ブーツ好きの僕が、初めてカルマンで選んだブーツ。
シルバーのDリングがアクセントになり、ミニマルな構造の中に光る個性。
スラックスをロールアップして合わせるのがお気に入りのスタイル。
④ A6116 CREEPERS BOOTS(2024年購入)|“一目惚れ”で恋に落ちたブーツ


これはもう、運命だった。
3つのバックルに、厚めのラバーソール。
これまでのカルマンとは違う、“攻め”のディテールに心を撃ち抜かれた。
しかも、金子さんから「これ、陸さん好きだと思ってました」と言われたとき、運命を確信。
ショートパンツでも、ブーツインでも。
主役になるために生まれた一足。
■ “カルマン縛り”という幸せ
旅仲間とは、3人で計8足のカルマンを所有。



出かけるときは自然と全員がカルマンを履いてきて、撮影会が始まる。
“カルマン縛り”は、もはや恒例行事。
「なんかやってるわ〜」って思われても、それが最高に楽しい。
同じ靴を愛せる仲間がいるって、すごく贅沢なことだと思う。
■ 最後に:足元から響く詩
CALMANTHOLOGYの靴には、言葉では表せない詩のような魅力がある。
履けば履くほど、静かに、でも確かに語りかけてくるような感覚。
かっこいいって、素敵だ。
それを足元から支えてくれる存在が、僕にとってのカルマンソロジーなのです。