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『有頂天家族 二代目の帰朝』森見ワールドにまた溺れる、ふわふわ毛玉の京都奇譚|森見登美彦 著

更新日:2025.12.21

Writer. 矢崎 洋

文・写真

高崎 葵

Aoi Takasaki

一つ前の記事はこちら

『有頂天家族』読まずにはいられない毛玉ファンタジー|森見登美彦 著

京都を舞台に、狸・天狗・人間たちのユーモラスな日常が繰り広げられる『有頂天家族』。スマホ疲れのあなたに贈る、毛玉ファンタジーの世界をご紹介します。

有頂天家族 二代目の帰朝
著者:
森見登美彦
価格: ¥913(税込)

スマホやSNSの世界にちょっと疲れたとき、静かに物語へ没頭したくなる瞬間。
そんなとき、ふわっと心をくすぐるのがこの一冊。

今回ご紹介するのは、前回の記事でも反響のあった毛玉ファンタジーの続編――
『有頂天家族 二代目の帰朝』です。

物語を届けてくれたのは、前作同様、PEEK-A-BOO 銀座並木通り店の髙﨑 葵さん
旅と読書、そして森見登美彦作品をこよなく愛する彼女が、
再び“狸たちの京都”の魅力を語ります。

あらすじ

京都に暮らす狸の名門・下鴨家の三男 矢三郎。今日も相変わらず騒がしく、生きることを”面白く”しようと、人間や天狗にちょっかいを出しては問題を起こしたり解決したり・・・?

長年不在だった、老いぼれ天狗の跡継ぎ”二代目”が帰朝し、狸・人間・天狗と京都全体のバランスを大きく揺さぶる。

矢三郎たち兄弟は、家族の絆や誇りを抱えながら、騒動の渦に飛び込んでいく−−。

すべては”おもしろきこと”から始まる!!!

この本を読もうと思ったきっかけ

前回ご紹介させていただいた【有頂天家族】の続編。
この本が気になった方は是非一冊目をご紹介したこちらの記事もご覧ください!

この本の魅力は?

続編というものはだいたい皆、一作目の方が良かったなんていう。映画員にしてもアニメにしても・・・

有頂天家族の続編となるこの「有頂天家族 二代目の帰朝」

移動や寝る前、肌身離さず持ち歩き、空いた時にはすぐにこの物語への引き込まれるのはなぜなのか、

ここまで私を没頭させる理由はなにか・・・??

その理由を考えた時、私は二つ思い浮かびました。

この本には難しい漢字や今時使わないだろうという言葉、さらには四字熟語なんかもも多く出てくる。

作者が京大出身なんだからそんなこともある。

だが、そんな難しい文章に紛れた”可愛い”言葉のギャップに私は惹かれているのだと気づいた。

作中には、狸達は自分たちの事を「毛玉」といい、ふわふわであることが一番とし、風邪をひかぬよう尻を温める。そんな狸達の可愛い描写が読んでる人の心を温め「可愛い」が溢れてしまうのだ。

まだもう一つ、この作品の惹かれている部分は、登場人物が多いがキャラ設定がしっかりしていて、より物語のなかに引き込まれるところ。

しっかり者の下鴨家長男矢一朗、カエルに姿を変え井戸に住む次男の矢二郎、ひびりの可愛い末っ子矢四郎、「おもしろきことは良きことなり!」主人公三男の矢三郎、包容力のあるお母さんの桃仙、天狗の赤玉先生、赤玉先生の息子二台目、半天狗の弁天、狸鍋を食べる金曜倶楽部の人間達…ここには書き足りないキャラもまだまだ…

そんな下鴨家をはじめとし、京都を舞台に人間、狸、天狗のファンタジーが繰り広げられるのだから、読んでない人は何が何だか?と思うだろう。

狸界のなかでもいつも何かしらの事件が起き、家族愛、友情、恋愛もあり、クスッと笑えて最後はちょっぴり切なくなる。

そんな「有頂天家族 二代目の帰朝」が、森見さんの作品が好きなんです。

本を読んだ場所

9月の終わりの旅のお供に。

ベトナム・ホイアンにあるホテルのReu Boutique Hotel(レウ ブティック ホテル)

旧市街から少し離れたこの場所は内装も外装も可愛く、まるでジブリの世界に飛び込んだかのよう・・・

田んぼに囲まれた自然豊かな場所で、ゆっくりと過ごしたい時にはおすすめです。

こういう方に読んで欲しい!

疲れた利、行き詰まったら現実逃避をするのが一番。

それは映画でもアニメでも、もちろん本でも・・・

といっても、本は自分の意思で読むべきもの。

人から読めと言われても、「おすすめだよ」と言われても、自分が興味なければなかなか手につかないものである。

私自信も時間がない時や気持ちに余裕がないとなかなか本は読めないものです。

この記事を読んで少しでも興味を持ってくれたら、京都の街を思い浮かべながら狸の世界に触れ、森見ワールドを味わって頂けたら嬉しいです。

次に読みたい本

どうやら有頂天家族の三作目が出るとかでないとか・・・(?)

この本の最後には、何だか切ない終わりでしたので、続きがでるなら読みたいものです。

もうすでに読み始めているのは、「宵山万華鏡」。

またしても森見登美彦さんです。

森見さんしか読まないのか、と突っ込まれそうですがそんなこともないです。

ですが、好きなものはしっかりと読み尽くし、調べたいものですよね・・・!笑
次回もお楽しみに。

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