August
10
Sunday
27°C Rain
Tokyo

share

Home > 趣味は別腹 > *静かな詩が足元から響く――僕とカルマンソロジーの物語|革靴編 #2

*静かな詩が足元から響く――僕とカルマンソロジーの物語|革靴編 #2

更新日:2025.08.08

文・写真

高橋 陸

Riku Takahashi

一つ前の記事はこちら

「足元からお洒落を極める」革靴の魅力とは?|革靴編 #1

革靴好き必見!中学時代に衝撃を受けた一足との出会いから始まる、若手美容師による“靴沼”ストーリー。ドクターマーチンを通して語るおしゃれと情熱の軌跡とは?【革靴コラム#1】

CALMANTHOLOGY(カルマンソロジー)|“言葉なき詩集”に魅せられて

「お洒落は足元から」。その言葉に導かれ、僕が辿り着いたのは——
日本が誇る革靴ブランド、CALMANTHOLOGY(カルマンソロジー)

これまでいくつもの革靴ブランドを履いてきたけれど、4足も揃えてしまったのは、このブランドだけ。
今回は、そんな僕が惚れ込んだカルマンソロジーとの出会いと、コレクションの魅力をたっぷりご紹介します。

出会いは2020年の夏、一本の“美しい線”に心奪われて

「そろそろ新しい革靴がほしいなぁ」と思いながらも、なかなか“これだ”と思える一足に出会えずにいたある日。
ふと目にした友人の足元に、僕の心は釘付けになった。

それが、カルマンソロジーとの出会いだった。

実際に足を通してみて驚いたのは、日本人の足型に寄り添う“フィット感”。
そして、上から見たときの立体的なふくらみ、土踏まずのくびれから生まれる美しい曲線

繊細で丁寧に仕上げられたデザインに、一瞬で心を奪われた瞬間だった。

CALMANTHOLOGYとは?

CALMANTHOLOGY(カルマンソロジー)は、デザイナー金子 真(かねこ まこと)氏が2018年に立ち上げた日本製の革靴ブランド。

ブランド名は、CALM=静けさANTHOLOGY=詩集

このふたつの言葉を合わせ、「言葉なき詩集」という意味が込められている。

哲学の源には、写真家アジェの思想があるという。

「静かで詰らぬ世界を切り取り、対象への比類なき没頭を繰り返すことでたどり着く最高度の魅力。」

この言葉そのままに、カルマンソロジーの靴は“派手さ”ではなく、“品と思想”を宿すプロダクト。

「伝統と進化」をテーマに、日本人らしい感性で再構築されたレザーシューズは、現代を生きる大人の男性に向けた、新しいスタンダードを示している。

■ 僕のカルマンソロジー・コレクション

ここからは、僕がこれまで出会ってきたカルマンソロジーの愛用品たちをご紹介。
1足ずつ、購入順にその魅力を語ります。

① A1583 U.TIP(2020年購入)|“原点”の一足

初めて手にしたカルマン。ローカットのUチップ。
上から見ると、ふくらみとくびれが描くような美しいフォルムにうっとりする。

スーツにもカジュアルにも馴染む万能さで、履く頻度もダントツ。
まさに“相棒”と呼べる一足。

② A918 LONG WING TIP(2021年購入)|勝負の場にふさわしい色気

シューレースの先で揺れるタッセル。
メダリオンの繊細なステッチが、足元に“色気”を与えてくれる。

フォーマルな場やセットアップスタイルにぴったりの一足で、
“ここぞ”という日に履きたくなる存在。

③ A5994 D.CHUKKA(2022年購入)|個性と実用を兼ねたチャッカブーツ

ブーツ好きの僕が、初めてカルマンで選んだブーツ。

シルバーのDリングがアクセントになり、ミニマルな構造の中に光る個性。
スラックスをロールアップして合わせるのがお気に入りのスタイル。

④ A6116 CREEPERS BOOTS(2024年購入)|“一目惚れ”で恋に落ちたブーツ

これはもう、運命だった。

3つのバックルに、厚めのラバーソール。
これまでのカルマンとは違う、“攻め”のディテールに心を撃ち抜かれた。

しかも、金子さんから「これ、陸さん好きだと思ってました」と言われたとき、運命を確信。

ショートパンツでも、ブーツインでも。
主役になるために生まれた一足。

■ “カルマン縛り”という幸せ

旅仲間とは、3人で計8足のカルマンを所有。

出かけるときは自然と全員がカルマンを履いてきて、撮影会が始まる。
“カルマン縛り”は、もはや恒例行事。

「なんかやってるわ〜」って思われても、それが最高に楽しい。
同じ靴を愛せる仲間がいるって、すごく贅沢なことだと思う。

■ 最後に:足元から響く詩

CALMANTHOLOGYの靴には、言葉では表せない詩のような魅力がある。

履けば履くほど、静かに、でも確かに語りかけてくるような感覚。

かっこいいって、素敵だ。

それを足元から支えてくれる存在が、僕にとってのカルマンソロジーなのです。

Search

Weekly Ranking

shinnosuke suga

PEEK-A-BOO AVEDA アトレ恵比寿
PEEK-A-BOO新時代を担う”LOOK mag.”初代編集長