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『世界にひとつのプレイブック』|壊れた心に、もう一度光を灯す物語

更新日:2020.04.28

画像:作品の公式ポスターより引用

世界にひとつのプレイブック
原題:
Silver Linings Playbook(2012)122分
監督: デヴィッド・O・ラッセル
主演: ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス

誰しも一度は、人生で“全部がうまくいかない時期”を経験するのではないでしょうか。 『世界にひとつのプレイブック』は、そんな時にそっと寄り添ってくれる映画です。

愛する人を失った痛み、心のバランスを崩した不安、そしてそこから立ち上がる勇気。

傷ついたふたりが出会い、少しずつ心を通わせながら再生していく姿に、何度も胸を打たれました。

あらすじ

妻の浮気が原因で心を病み、職も家もすべてを失ったパット。 実家でのリハビリ生活を始めた彼は、周囲の期待と自分の感情に折り合いをつけながら、日々を懸命に生きていた。

そんなある日、夫を事故で亡くし深い喪失感を抱える女性・ティファニーと出会う。 型破りで破天荒な彼女との出会いは、パットの世界を少しずつ変えていく。

ダンスコンテストへの挑戦を通じて、ふたりは互いの傷を知り、支え合い、やがて心を開いていく——。

印象に残ったシーン

家族や友人たちとの日常のやりとりの中に、たくさんの喜怒哀楽が詰まっていて、自然と感情移入してしまいました。

特にラスト、ダンスコンテストに向けてのふたりの努力と、そこから生まれる絆がたまらなく愛おしかったです。 「がんばる」って、こんなにも美しいことなんだと感じさせてくれます。

美容師として気になった部分

物語の舞台がアメリカの郊外で、ファッション的にはやや“ダサめ”な部分も多いのですが、 ジェニファー・ローレンスの表情の豊かさがとにかく印象的でした。

  • 髪を振り乱しながらも感情をぶつけるシーン
  • 素のままで向き合う自然なメイク

「人の表情の魅せ方」を学べるシーンがとても多く、美容師としてもインスピレーションを受けました。

あとがき

うまくいかない時こそ、人の温かさが沁みるもの。 この映画は、心が壊れかけたふたりが出会い、自分らしさを取り戻していく過程を描いています。

観ていてつらくなる場面もあるけれど、その分ラストには大きな希望が残る。 笑って泣いて、最後には優しい気持ちになれる映画です。

「もう一度、自分の人生を信じてみよう」 そう思えるような、あたたかい余韻を残してくれる1本でした。

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