2020.06.26
PicKup Stylist
【PicKup Stylist】というタイトルで銘打って今レコメンドしたいヘアスタイリストを紹介する企画です。
今回は、今年2月行われた、毎年行われている技術向上イベント、PEEK-A-BOO SOIREE (ピーク・ア・ブー スワリー)のフォトコンテストで入賞したスタイリストをピックアップしてインタビューを行いました。インタビュアーを務めさせていただいた私、NEWoMan新宿店の栗原が今回の対談を振り返りたいと思います。
青山店 伊藤 雨潔 Sayuki Ito
まずはグランプリおめでとうございます。
最近はスワリーだけではなくクリエイションに力を入れている感じがすごいするんだけど、何か転機みたいなのはあったかな?
ずっとクリエイションはしたかったのですが、中々忙しくてできなくて、でも、サロンワークや技術講習会などの出張以外にも、自分のやりたいことをやりたいと言う気持ちはずっとあって、その中で自分の出れるタイミングでコンテストは出続けていました。その延長上にコンテストで作った作品を撮り下ろしたりした事がクリエイションをはじめたきっかけになっています。
なかなか忙しいよね。インプットする時間が少ない中、アウトプットする難しさって本当にあるよね。
今回の作品のポイントっていうのは、何かあった?
私もすごく好きな作品なので、それを今回評価して頂いて本当に嬉しいです。
今回の作品もメーカーさんの主催のコンテストに出た時のモデルをそのまま撮り下ろした時の作品です。
彼女が素晴らしいモデルだったので今回の作品が出来ました。
いろいろなポーズをとった中で、偶然この一枚が生まれたのですが、その背景にカメラマンやメイクの人がいたり、チームでこの作品が出来たことが私の中で誇りです。ポイントとしては、女性の強さや芯のある女性像をイメージして作りました。
白黒のスタイルでファションも面白いし、強さはすごく感じるんだよね。僕からすると強さだけではなく女性らしい感じが残っているので、すごく良かったなと思います。(内緒だけどフォトコンの時、選びましたw)
女性らしさを残すことは意識はしてる?
作品を作るにあたって大事にしていることがいくつかありますが、やっぱり強い女性像をイメージする中で、女性らしさや、柔らかさ、あとは、‘品’があるものが元々好きで、カラーリングやスタイリングにおいても品があるということを大切にしています。
’品’って確かに大切だよね。その言葉に全て集約されているよね。
作品撮りやコンテスト、サロンワークなどで髪型を作る上で大切にしているものは?
1番大切なのはモデルやお客様に似合っているかどうか。ヘアスタイルができた時に、ドキドキしたりワクワクしたりハッピーになるかっていうところが凄く大切で、コンテスト出るときもモデルさんが嫌なヘアスタイルだったり、テンションが落ちるような事は絶対したくなくて、そこにはカウンセリングで、モデルの意思を尊重して無視しないでいかないと、良い作品も生まれないと思っています。モデルも私もその場の空気もハッピーになるように心がけています。
その距離感詰めるの、めちゃくちゃ上手いもんね!!
社内で1番モデルの手配や、管理をしてくれているからモデルとの距離感などを無意識で、できているんだよね。
やっぱり人ありきなので、コミュニケーションだったり、その人の本音のところや、裏側のところで、心の扉を開けてくれるように意識しています。
自分もオープンにするスタンスも大切ですね。
これからの野望とかある笑?
こんな作品作りたいとか、こんな賞とりたいとか、?
野望だらけなんですけど(笑)
美容師になったからには、美容業界に爪痕を残したいとずっと思っているので、フォトコンテストであったら、誰でも挑戦出来るJHAで実績を残したいのが美容師としての一つの夢であって、大きくは自分の作品が1人でも多くの人の目に届けられたらなと感じています。そして常に発信していきたいと思っています。
頑張りましょう!!
2人)ありがとうございました。
Writer.
銀座並木通り店 安斎 健太郎 Kentaro Anzai
まずはおめでとうございます!!
安斎君が最近どういう作品を撮るのか知らなかったんだけど、クリエイション部で上がってくる作品をみると、基礎がしっかりしていて、PEEK-A-BOOらしい感じが凄いして、観てて綺麗だなと思う作品が多んだけど、意識してたりしてる?
僕自身、あまりごちゃごちゃしたものが好きじゃないというか、例えば色とかも三色以上は使わなかったりとか、何か一点にフォーカスするようなものが凄い好きです。だからこそPEEK-A-BOOの作品も芯があり、あまり余計なものを取り入れないで、何か一個に集中して、そこを大きく強く見せるというものが好きなんです。僕も自分で作品を作るとそのような方向になりがちなんですが…笑
今、自分のオリジナルといえるものがなくて、何でも形から入るタイプなので、色々な先輩方の作品を自分なりに真似してみてつくるというのが今の僕の作品作りの中心になっているところだと思います。
真似といってもただ単に真似じゃなくて、自分なりに咀嚼してやっていくということだよね?
そうですね。いずれは自分流にアレンジしていきたいというのはもちろんあります。今回の作品もそうですが、先輩方の作品の色々な良いところ少しずつ引っ張ってきて、組み合わせて真似させてもらってそれを撮っていくうちに、自分流に「こうした方がいいのではないか」という案が生まれて、そこで少しづつオリジナルが生まれるのかなとも感じています。
最初は真似で良いから、どんどんやってみなさいといわれたので、色々な作品を真似して自分のオリジナルを作れるようになったら良いなと思います。
何事もまずはそこからだよね。僕も今だに、いろいろな方の作品を参考にさせていただいています。
今回受賞した、この作品のポイントは何かある?
今回、提出された作品にあまりロケがなかったと思うのですが、僕があえてロケにしたのには理由があって、銀座に移動して来た時にあまり銀座という街を知らなかったんです。働き始める時に不安があり、本当に自分が銀座にあっているのかという葛藤もありました。いざ銀座の街を歩いてみると、建物一つ一つがカッコよくて華やかだなと思ったのが第一印象です。“銀座の街はすごいカッコいい”っていうことを後輩たちに伝えたいですし、異動や入社してくるスタッフは、当時の僕と同じような不安を抱えているなと思うので、銀座でロケをして“カッコいい”作品を撮ることで、銀座ってこんなに素晴らしい街なんだぞっていうのを伝えたかったです。
じゃ今度新宿でもお願いします(笑)
あっ、お願いします(笑)
歌舞伎町バックに!
絶対かっこいい、かっこいい写真撮れます(笑)
作品作りに関して、PEEK-A-BOOのInstagramでも流れてるように過去の作品を見ても建築的な綺麗なものが多いなと感じることが多いんだけど、今まで作ってきた作品のポイントってあったりするかな?
やはりクリエイションは、その人が見てきたものとか触れてきたものとか、実際に肌で感じてきたものが作品として出てくるなというのが凄く楽しいです。色々な方の作品を見てるとその人の感性だけではなくて、今まで見て触れて感じてきたものと、今感じてるものと、これからどうしたいか、そういうものが作品に込められていると感じるんです。まだ僕が見てきたものは少なくて、先輩方と比べてシンプルなものになりがちなんですけど、もっとたくさんいろいろなものに触れて肌で感じて作品の幅を広げていけたらなと今はすごい感じているところです。
確かに、色々見てこうゆうのやっていきたいなとか、こうやってやればいんだとか、僕もそうだけど、知恵として頭の中に入ってくると自分の枠は広くなるよね。
そうですね!
最後にこれからの野望とか、こんなことしたいなとか、クリエイションでもサロンワークでもあれば、何か一言お願いします。
大きな野望の一つとしては、JHAの授賞式に福井からチケットを頂き参加した時、あの舞台で、グランプリをとるというのは、僕自身今まで感じたことのないくらい大きな感動を受けました。あの場所に立って受賞されてみたいし、誰かに認められるという事が僕にとって幸せで、美容師になる事を反対されて、美容師になった立場なので誰かに認められたいという事が1番強いんですよね。
今後大きな舞台で、誰かに認められて賞を取るというのが目標になっているのでJHAでグランプリを取りたいと思っています。
ありがとうございます。
頑張ってくださいっ‼︎
ありがとうございました。
Writer.
GINZA SIX店 寺岡 幸紘 YUKIHIRO TERAOKA
まずはおめでとうございます!
寺岡とは、原宿店でも一緒に働いていた時もあって、僕もちょうどクリエイションをもっとやらなきゃなと思っていて、寺岡はその頃にちょうどコンテストやフォトコンとかに出てたので刺激になってたんだよね。
その頃の作品と今の作品は気持ち的には変わってきてる?
若い時の作品作りは、どちらかというと、自分が有名になりたいとか名前を売りたいとか、中身というか外枠を固めるための作品作りだったんですが、今30歳を超えてからは、自分のやってることを認めてもらいたいみたいな、どっちかというと自分の中でコンセプトを作ってそれに対してのモデル選びとか、写真としての絵作りの雰囲気というかディレクションを意識してやってます。
今は、ちょっと内面的なものを出していきたいということだよね?
そうですね~。
今回の作品のポイントってなんかある?
今回は70年代パンクをテーマにして、セックスピストルズのジョンライドンをオマージュして作りました。それも、レイヤーが流行ったりしてレイヤーカットの歴史を辿っていくとパンクに行きついて、その時のかっこいい人は誰なんだろうって考えると、ジョンライドンが出てきて、この人見たことあるな〜ってなるんだけど、実際自分は知らない。そうゆうことを調べていくと、作品を作る時の動機付けになって、あっこうゆう画を作りたい。その画をどうやったらシンプルにつたえられるかまた、画作りで考えて作りました。
その時代のものをそのままやってても、今の人には共感できない部分であると思うので、そこで、共感できるエッセンスをヘアカラーで作りました。今回はコンセプトをしっかりとして、作品作りに挑みました。
僕もセックスピストルズを中学生の時にきいて、その時の衝撃があって、パンクのイメージって好きな美容師さんて多いよね。基本的に美容師になりたい人って、クラスで言ったら、ちょっと人と違うことをやりたい少数派じゃん。その当時から、 まさにマイノリティーでパンクな要素満載だよね。
反逆的で退廃的で、なおかつ攻撃的な、ダークな感じ。そのパンクのイメージを作品にするとコテコテになっちゃったりとか、ダークさが強すぎてしまったりすると思うんだけど、その辺の引き算足し引きが上手だなといつも思う!!そこはカラーだったりする?
今回はビリーアイリッシュのカラーをそのまま取り入れさせてもらって、根元を明るくブルーにして毛先に行くにつれて黒にしていきました。
みんなが共通して今いいなって思っているものをその画の中に入れていくと比較的にみんなに伝わりやすいのかと思ってヘアカラーでそうゆう所を狙って撮りました。
今までの作品を作った中で記憶に残っているものはありますか?賞とったものから結果が出なかったものまで全部含めて!
色々wellaのコンテストのときも嬉しかったしJHAも嬉しかったし、でも僕は作り終わるとあんまり残らないタイプなんですよね。どっちかというと作って評価されるかされないかを見たら後は意外とひきづらないで次の作品作りのイメージを考えてしまうタイプで、あんまり記憶にはないです。。。
ただ、やっぱりwellaのトレンドヴィジョンでGOLD awardを獲ったときなんかは今までの美容師人生の中では1番おっきな出来事だったかなと思います。
たしかに、すごいよ!!みんなが狙ってみんな取れるものではなくて、その時に全てが合致しないと絶対取れないものだと思うので、すごいなと思います。これからの野望や作品作り活動について何かあるかな?
作品作りで言うと、美容師としては当たり前なのかもしれないですが、携わった人みんなが良かったって思えたりとか、やってくれたモデルさんが寺岡のモデルだったらいつでもやりたいって言ってくれるような、自分ヨガリなものではなくて、みんなが良いと思えるようなものを察知して、それをいい作品として落とし込めれたらいいかなと思います。それはサロンワークでお客さんにしてもつながることだと思うので、そうゆうところのアンテナを磨いていかないとこれからもっともっと成長できないと思うので、作品作りを通じて自分を磨いていきたいと思います。
ありがとうございます。
ありがとうございました!
Writer.
あとがき
いかがでしたか?
3名の【ピックアップスタイリスト】
今後も活躍が期待される、若手のスタイリストです。
こんな後輩がいるから、負けないように頑張っちゃうんですよね。
いい後輩に恵まれると、大変です笑
これからも気合い入れて僕も頑張らないと!!