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Home > LOOK at me! > *憧れを懐かれる美容師になります。by 藤本昴大

更新: 2024.12.27

Writer. 須賀 真之介

*憧れを懐かれる美容師になります。by 藤本昴大

今回の「Look at me!」は、、表参道店 藤本昂大さんと、ONE店 久保木誠さんのお二人の対談です。

是非、最後までご覧ください!


本日は対談を受けて頂いてありがとうございました。

硬いね。(笑)そんな硬くなくていいよ。
そんな硬いところも持ち味だけどね!(笑)

久保木さんにいくつか質問を考えてきたのでお願いします。

はいっ!

まず、休みなく働いていたのを旧青山店にいた時から見ていたんですけど、仕事に対してのモチベーションっていうのがどう言ったところから来るのかなっていうのが気になっていました。

急にコンプライアンスなところをぶっ込んできたね。(笑)
休みはね、とった方が良いです!

はいっ!(笑)

何よりも。休みは…。
でもその時の僕は、なんか才能ないなって思ってたから、とにかく誰よりも働くしかないなって思って自分からそうやってただけだからね。
あと、もっというとモチベーションってないのよ!
今質問来た時に考えたけど、仕事に対しての僕のモチベーションって何だろうって。
仕事に対してってないかも。(笑)本当に!

えっ、本当ですか?

モチベーションってなんかネガティブな物事に対する、なんかこう頑張ろうみたいなとこない?
だけど、何だろう例えば、好きなもの?
クレヨンしんちゃん見ようとか?あれ見にいく時にモチベーションあげようとかないでしょ?

確かに、ないですね。

だから、僕は仕事に対して遊びみたいにしか考えてないから、遊ぶの(好きな事)にそんなモチベーション必要ってなるかな?クレヨンしんちゃん見るのに頑張るとかないでしょ?

あ~そうですね。

だから、仕事に対してのモチベーションっていうのが上がるとか下がるとかそういうのが皆んながなくなった方が良いかも。
そこについて前考えたことがあったんだけど、モチベーションを上げるためにアシスタントの子を呑みに連れて行きました。
モチベーション上げるために熱い話とかこうやって行こうよとか話したとしても、例えばその日家に帰って彼氏彼女がいました、それで大喧嘩したとしたら次の日のモチベーションは下がってるよね?
それって、プライベートの事が仕事よりも比重が大きくて影響されちゃうじゃん?だから、皆んながモチベーション上げようとか頑張ってるけど、もうちょっと仕事ってこうやってやったら楽しいよねってやってあげたりゲーム感覚じゃないけど仕事をしてもらえるようしてしたほうが、モチベーション上がり下がり関係なくいいなって思う。
モチベーション理論的な本とかよくあるけど、すっごい嫌いかも。(笑)
一瞬のその感情をコントロールしても、他人がコントロールできないから。自分次第じゃん?

まぁ確かに、自分の気持ち次第ですね。

モチベーション上げるのどうしたら良いですか?って聞かれるけど、それは人それぞれ違うからね。
だったら、その仕事が自分の好きな遊びより楽しいようになった方がいいよねって思う。
本当にそうで、コロナ禍だ釣りとかバイクとか出張が無くなってやり出したわけよ。釣りってめっちゃ楽しいのよ。でも、講習行ってた方がすごい楽しいのよ。出張行ったら、大阪の人とかめちゃくちゃ面白いし同じ共通認識や、目標に向かってやっている人達と話してて、カットしてて楽しいもん。
だから、そういう人が増えて欲しいなって思う。

そうですね、確かに今聞いてそう思いますね。
でも自分の好きな事を…。

全然あっていいいんだよ?
好きな事は。むしろそれが当たり前じゃん?
思うのは、めちゃくちゃ土日を楽しみにしている人がいるとするじゃない?そういう人って大変なんだろうなって思うのよ。

えっ?なんでですか?

だって土日のためにさ、週5日辛い思いをしてるわけでしょ?一概には言えないけどさ。(笑)

一同(笑)

僕の場合は、逆で休みの日に服買いに行く時にこの服をお店で着れるなとかこれ着たらかっこいいなとか考えるもん。
他にも撮影があったら、そこに注力して準備するじゃない?
それは撮影の時に楽しみたいからじゃない?
休みのために働くわけではなく、、、っていうふうなマインドになればね、難しいけどね。
それは強制とかもないし、モチベーションとか考えなくて良いよね。
今日会社行きたくないなって思ったことあったでしょ?

はい、ありましたっ!(笑)

辞めたいとかもなかったしね。

普段から、辞めたいとか思った事ないって言ってますよね!確かに仕事が楽しければモチベーションとか関係ないですもんね。

難しいけどね。
これやってるときに没頭して無心になれるって言う好きなことってあるでしょうそれをちょっとずつでも広げていければいいのかなと。
1番大変なのがコミュニケーションを人と取りたくないっていう人いるでしょ?そういうのは1番難しい。それもどうにか改善できると思うけど。
人が好きで愛されて、そういう人はこの仕事は簡単に遊びになっちゃうというか楽しいって感じれちゃうと思うな。
そこを目指そう!!!

はい!ありがとうございます。

久保木さんがAD(アートディレクター)になってお客さんのリピートに繋がる、お客さんに気に入ってもらえるようにしていることはありますか?
接客に対して意識していることはありますか?

なんというか、すごく人間的になっちゃうから、疲れてる時は疲れてる感じでちゃったり、楽しい時はその感じでちゃったり急いでる時は黙って真剣な顔で黙って切る時もあるし…。
だから、そんなにないかもしれないな。
でも、若い時から意識していることはどうやったら愛されるか。
できるだけフロアにいて、美容室ってこれだけ鏡あるし誰かに必ず見られているから、忙しい振りはよくしてた。自分を安く見せないためにしてた。

安売りをしないってことですか?

安売りというか、暇でしょうがないです。あなたのために暇なのでなんでもやります、尽くします。みたいなスタンスを今後はすぐ自分は売れちゃうなって思ってたから、それは続けられないから先のことを考えてそうしてましたね。(笑)

凄いっすね。すぐ売れちゃうって確信してたんですね。(笑)

一同(笑)

ベッタリでずっと付き添っていたらそうできなくなった時に、お客さんは「はっ?」ってなるじゃん?

そうですよね。いきなりやってくれなくなったとかなっちゃいますよね。(汗)

でも、僕はタイミング的に先生の仕事を任せられることが多かったからすごくラッキーだったと思う。
この人若いのに売れてるんだなっとか、一生懸命やってる姿を見せれることができれば、忙しくなった時に変わらず愛してくれるし応援されるようなキャラになってるといいよね。

でも藤本君もかわいい顔してるからすぐにみんな応援してくれるでしょ?(笑)

一同(笑)

最初のうちは基本中の基本だけど、綺麗な服を着て、身だしなみしっかりやってまずは万人受けして誰にでも愛されるようにした方が良いよね。

あれ?これ寒いわ。(笑)カットしておいて。(笑)
なかったことにして(笑)

色々なお客さんに「久保木さん、久保木さん」って呼ばれてたじゃないですか?
それって若い時に何か意識してたのかなって思っていて、誰に対してもいい顔とは言わないですけど、常にテンション高くやっていたのは、仕事とプライベートを意識して、切り替えてやっていらっしゃるのかなって思ったんですけど、どうですか?

それ多分、みんなやってるでしょ?(笑)
うちの店長の佐藤学さんて凄い愛想良くてテンション高くて面白い人だけど、2人で呑みに行った時に、3.4杯お酒がくるまで、2人とも喋らなかったからね。だから外では超根暗なんだと思う。
だからみんな頑張ってオンにしている部分はあると思うよ。

はぁ、そうなんですね!
ちょっとスイッチ入れるところと入れないところと。

だって前にすごい疲れてる時に、お客さんやってて話盛り上がって散々笑って、「じゃあ、Wax持ってくるね」って言って後ろ向いた時の顔がやばい顔してたよって言われたことあるよ。(笑)

ありますね、その瞬間!(笑)

一同(大爆笑)

だからみんな、オンはしてると思うよ!
実際は、一定じゃなきゃダメなんだけどね!(笑)
僕なんかは、オンオフがあってご飯行ったりなんかして、「お前今電源抜いただろ?」って言われることもあるからね。ぼーっとしちゃう!瞬間がある!
だからバイクとかが好きなのかもしれない。
なんか、1人で何も考えずにいたいって、美容師あるよね?ずっと誰かといたいとか思う?

あぁ、確かにプライベートは1人の時間が確かに好きですね。

逆に今どう愛されてるの?(笑)

どう、愛されてるかですか?(笑)

ジュニアからジュニアスタイリストになって更にスタイリストになる時に、料金が段々上がっていくじゃないですか?
お金が安いから来てくれてたというのが大きかったのか、自分に魅力がなかったというのを痛感して。
一人一人に対しての接客を大切にして、ずっと来てくれている人に対してよなぁなぁにならないようにそこら辺も切り替えて、もう一度ちゃんとしようと思った時がありました。
そしたらちょっとずつお客さんが増え始めて紹介とかも増えていってます。

そうだね、それは良いことだね。
あとは、スタッフに愛された方が良いよね!
スタッフの1年目からジュニアスタイリストくらいまでの人達に、あの人みたいになりたいな。じゃないけど、愛され方をわかれば、お客さんも結局魅力がある人ってわかってるからついできてくれるじゃん?
だから身内(スタッフ)をカットする時も全力でやるからね。それでその子が輝いてルンルンで働いてくればいいよね。
さっきのモチベーションの話じゃないけどね、その子がそれで楽しくなれば良い訳だからね!

良い環境といいスタッフがいるお店っていいお客さんが来るじゃん?
良いお客さんが来るからって、いいスタッフは来ないよね?
良いスタッフが笑ってめちゃくちゃ楽しそうだからいいいお客さんが来るよね?
だからスタッフに気を使うことが大切だよね!
雰囲気が悪い所にお客さん来ないじゃない。
お客さんに気を使うのは当たり前だし大前提ではあるけど、スタッフを蔑ろにしたりするのは良くないよね。自分がむしゃくしゃしてるいる時とか、あると思うけど。あぁゆうのはスタッフは必ず見られてるから、あの人なんなんだろうとか思われるよね。
そんな人は、絶対お客さんには絶対愛されないよね。

そうですね、ありがとうございます!
確かに久保木さん、スタッフの面倒見良いし熱いし。

今は、コミュニケーションが少ない時代だから、さっきの話と違っちゃうけど飲みに行ったりして「最近どう?」って聞いてあげたりしたりするのも大切だよね。スタッフのガス抜きも必要だよね!

そうやって楽しくやってたら、お客さんからも愛されるでしょ!
スタッフがあの人凄く良いんですよって言われてる人ってお客さんもその雰囲気で良さも伝わるし、そもそもお客さんも敏感だからそういう雰囲気はわかってると思うよ。
だからお客さんに、媚びるとかよく見られたいとか思うのってちょっと浅はかかなって思う。(笑)

そうですよね!
ありがとうございます!!

アカデミーや外部講習とかにすごく行かれてると思うのですが、展示するスタイルやお客様に施術するスタイルなど、、、
あれこれ浅はかかな?(笑)

大丈夫だよ!!!
なんかそれ言われると悪意あるわ!
下からの突き上げと圧がすごいよ!(笑)

一同(大爆笑)

久保木さんがデザインするスタイルのこだわりを聞きたいのと、デザインを作る上でどういうところから、こういうスタイル良いなとか、お客さんに提案してみようかなって思うのを聞いてみたいです。

情報収集かな?

情報収集もそうですが、久保木さんのカットのこだわりを聞きたいです。

こだわりはありますよ!
僕は、みんなの一歩先を行くのはやりすぎだと思っていて、みんなの半歩か三分の一歩前くらいが良いかなと思っているかな。
一歩前とかで前衛的なスタイルとかやってしまうとお客さんて引いちゃう場合あるよね?
もちろん、その様な希望やそういうお客さんには攻めても良いと思うけどね。
例えば、VogueとかELLEとかSPURとか見て学ぶことはもちろんあるけど、情報収集は休みの日にTSUTAYAに行ってぼーっと普通に本を見たり。
映画を見たりとかはみんなやってると思うけど、これ良いなと思った一歩先のことをやってしまうとお客さんがついてこなくなってしまう可能性があるよね。普通についてこれるくらいのスピード感でトレンドを入れたりしたスタイルを提案してあげたりするのは売れるためには必要なことだよね。
ただ、クリエイティブなことをやる時にはそれだとダメな部分もあったりするけどね。

確かに、そうですね!

あとは、アートディレクターになったからっていうのもあるけど、お客さんに言われた事をなんでもやらないようにしたかな。

えっ?どうゆう事ですか?

前に、須賀ちゃんとも話したけど、僕はね切りっぱなしボブとかはやりたくないのよ!
ワンレン切って、削いで、ワンレン切って、上だけちょっとレイヤー入れて角を残してとかさ。
なんにせよ、コテで巻いてくびれを作ったりコテで巻いてエッジを作ったりして、顔に似合わせるとかは僕はやらなくて良いかなと最近は思ってる。
なんでもやる自分になりたくないなって思ってる!

誰でもできるようなことはやりたくないって事ですか?

そう。服屋さんでいうと、メゾンブランドっていうのがあるでしょ?セリーヌでもマルジェラでも。
セレクトクトショップってあるじゃない?
その違いは、メゾンは自分の好きな物を作っていて
セレクトショップは流行っている物をバンバン取り入れて行くじゃない?
自分が無いわけじゃない?セレクトショップも段々自社商品出して個性は出してくるけどさ。
良いとこ取り色んなものやるじゃん!
ミニスカート流行ったりワイドパンツ流行ったりしたら、その時代に合わせて色々取り入れていくよね?
トレンドを追うのは凄く大事なんだけどさ!
メゾンブランドで、例えばコムデギャルソンだったらミニスカート流行りましたってなったら、ミニスカートは作らないよね?

はい、そうですね!

たけど、やらないわけではなくてそれに超長いチュールみたいなのそれに被せて、ミニスカート流行るけどコムデギャルソンらしくアレンジしてやるじゃん?その自分のなんかがあるよな風にしていきたいなと。PEEK-A-BOOとしてもそういった集団にしていかないとどんどん薄まっちゃうし、もっと言うと、さっき言ってたコテで巻いてとかの所とかも、ちゃんとカットでそれは作れるわけじゃん?

はい!

毛先が落ちた位置をどこにしたら可愛いかとかその人の骨格を見て似合わせをしていったりとかね。
結局顔まわりがしっかり作れてないとリピートはしてくれないしね。

1番見えるところは、前ですからね!

そう。
よく言うじゃん!?
耳より前はリピートを生んで、耳より後ろは紹介を生むって言うよね?

そうなんですね!!

カットで作れる物以外は出来るだけやらない!
どうにか提案して、もっとこっちの方が良いですよとか、こうしたら良いですよとか言って話すかな!

それって断るんですか?

断るって言うか、もう少し提案して顔まわりにデザインさせてもらったりとかするだけで、あとは絶対にやだって言われたらもちろん流石にやらないよ、さすがに!(笑)
さすがに頑固なラーメン屋ではないから突っぱねることはないけどね!スライドカットでニュアンス作ってみたりとかね、巻いてオッケーはなんかちょっと違う気がするんだよな〜。
まっ今はそういうのが多いから若い人にこういうのがウケるかはわからないけど、何かしら自分がやったら違うよなってところを入れてる。

お客さんがやりたいスタイルプラス自分の色が出るような、PEEK-A-BOOらしさが出るように提案していっているということですね!

教科書通りの返答だね。(笑)

(笑)

最近よくやる切り方っていうのもあるって言ってましたもんね?

そう、昔から思っていたのが称号が欲しかったのよ。
コンテストで優勝しましたとかより、先輩方はそれぞれの特徴や個性があってその人ならではのスタイルや切り方っていうのがあるから、PEEK-A-BOOらしいももちろんそうだけど、PEEK-A-BOOの中でもその人らしさ、そういうのが欲しいなって思っているんだよね。
だから今やってる切り方でどこまで出来るかっていうのをやってみている。

その切り方でどこまで行けるんですか?

切りっぱなしは無理だよ!(笑)

そうですよね。(笑)

重く切ったりももちろん出来るけどショートベースの話だよね。意味ない時も勿論あるけど、この切り方を体に染みつけちゃおっていう段階!

あぁ、そういうことですね!

昔の話だけどPEEK-A-BOOに絶対入りたくて、当時ワインディング(パーマ)の試験があったんだけど、その時に朝から晩までかけて1日2000本巻とかやってた。そうすると緊張しいだから、歯磨きと同じテンションでできれば、歯磨きは緊張しないでしょ?

はい!(笑)毎日やることですしね。(笑)

そうだから、そのくらいのテンションにしちゃえば絶対にできると思ってたからね。

そうですね!!

緊張とは違うけど、「こんにちは〜」って言ってそのまま切り始めちゃうくらいの信頼関係もできたら良いなと思ってる。
上の人達は20年〜30年とご来店されてるお客さんがいるから今更細かいカウンセリングはしてないと思うしね。
お客さんからしても、もう任せてるんだから!ってなるしね。
そこまでのお客さんが来てくれてるってすごいことだよね!

確かにそうですね、相当すごいことですよね!

ずっと来て頂いている人を同じスタイルなんだけど同じ切り方にならない方がいいよね。
切り始めを変えたりして、同じゴールではあるけど微妙に変わってきたりするよね。
たとえば、洋服だと靴から選ぶ時あったりするよね?そこからパンツ履いて、ジャケット着て、結果的に服を着てることにも変わりないけど、なんとなく気分が変わるよね!
それとカットも一緒だけど、上から切るのか横から切るのか後ろから切るのと、理論さえ分かっていればゴールは一緒だけどちょっと変わるよね。
うちの上の人達がずっと来ているお客さんに対して飽きさせないコツって、同じスタイルだけど少しだけそうやって変えていっているところだと思うな。

そうですよね。勉強になります!

話変わるけど、藤本くん、凄く顔つき変わったよね!全然、自信がある感じでさ!

久保木さんのアシスタントして、色々教えて頂いて、怒られながらやらせて頂いて。(笑)

こうやって、人が成長していくのが凄いよね!

久保木さんのお客さんはなんか、凄く緊張して、絶対やらないようなミスをやってしまったりしてました。それが凄く勉強になりました。

色々あったよね!!

久保木さんて、カラー剤の毛先の色を決める時にアシスタントに選定を考えさせたりするじゃないですか?あれってまだやってます?

それね、まだやってるのよ!
あれはみんなやった方が良いよ。僕はロボットと働きたくないから、そのアシスタントが意思を持って考えて欲しいのよ。
ただ、言われたカラー剤とかをそのまま塗ってるだけだとなんも考えなくなるよね!
アシスタントに提案されて、全然自分が思ってたのと違ってもちゃんと考えて意思があれば凄くそれは良いことだと思う。
スタイリストは、わかんないフリした方が良いと思うんだよね!
「根元これだから毛先この色にしたいんだけど、どう思う?」って聞いて、自分の中では答えはわかるに決まってるけど、わからないフリをして、アシスタントが考えてみたいなのがよい。
そして、更にその質問をした時の反応を見てその人に対しての教育をどうするか考えたりするよ!

あぁ、凄いですね!そんなこと考えてたんですね!

質問した時に、黙って何も出てこない人なのか、これをこの間モデルでやってよかったのでこの色にしたいですって言ってくる人なのか。
後者の方は勝手にほっといても伸びるタイプだよね!

その反応の初手で色々見てたんですね!

今、藤本君は何歳だっけ?

24です!

24歳でしょ?24歳なんて、20歳の1年目のことかと少しお兄さんなだけで同世代じゃん!
だから、仲間だと思って、教えてあげるってよりは、その人達の意見聞いてアドバイスしてあげた方がいいよね!モデルをもっとやってデータ取った方がいいよとかさ。

確かに、そうですね!同世代ですもんね!

でも、みんな疲れるようなことに頑張るじゃん?
営業後にモデルやって疲れちゃったりするじゃない?あとは、ブローやったり、パーマやったり。
だけど、営業中が沢山データが取れるし練習もできるじゃない?
うちだったら毎日100人くらいのお客さんが来るわけだしさ!それぞれ、年代も幅広くいるわけだしね!だから色々な人の仕事した方が良いよね。

そうですね、確かにサロンワークで沢山勉強できますね!

藤本君みたいな若いスタイリストの手伝いを若い1.2年目のアシスタントがしてくれてると思うけど、そのアシスタントの子がブリーチとか色だしとか仕上げとか沢山学んで、決して飛び級とかはせずに一つ一つを学んでいけばいいよね。
飛び級しないで、そうやって一つ一つを学んで若くと良くて、いきなり上の人の仕事をすると求められるものも変わるし、言葉遣いや何かもかわってきたりするから、ひとつひとつ段階を踏んでいってくれるのがありがたいです!

だから、藤本君にやって欲しいのは1.2年目のアシスタントの人達に、美容の楽しさを教える意味でも、もっとこだわったカラーとかをやってもらって、僕はこう思うからこれ入れるんだよね!
みたいな、理由付けというかロジックみたいなのを細かく教えて欲しいです!

カラーはこれでいくから、って言って決めて預けるより、この人はこうだからこうしたようって言ってやるといいと思う。
そうすれば最初の話じゃないけどら仕事が楽しくなってモチベーションが上がるとか下がるとかなくなる気がするな。

そうですね。確かにそこに繋がりますね!

久保木さんが、スタイリストになった時に意識してたことありますか?目標とかどうなりたいとかをあらかじ目決めてたりしたのか、ちょっとずつ遠い未来を描きながらやっていたのかとかを知りたいです!

なりたての時は、なんか嫌に聞こえちゃうかもしれないけど、イエスマンになる!(笑)
うちだったら、自分がお客さんやってても「空いてる?」とか言われることあるよね?
そしたら、「空いてます」以外は言わないようにしてた!(笑)

それは自分のキャパを広げるためにですか?(笑)

忙しくっていうのと、今すぐ売れた時の練習しなきゃと思って。売れたら大変なっちゃうからね!

そのスピード感とかですか?

そうだね。
あとはなんかあるかなー?
逆になんか意識してることある?

今は、既存のお客さんを大切に。大切にするのは当たり前ですけど、紹介に繋がるような接客や技術を心がけています!
あとは、義弘さんや内藤さんのお客さんを手伝うことが多いので、自分のお客さんではないですが、顔を覚えてもらいたいので、積極的に話したりとか気遣いをするようにしています!

素晴らしいね!
だけど、スタイリストなりたての時はあんまり考えない方が良いよ?
前に、人に言われたことがあって「1年後3年後5年後10年後の未来で描いてる?」それがどうも嫌いでさ。(笑)
だって、10年後にどうなるって!10年かからないことの方が必死にやってたら多いじゃん?
10年後の事を考えて、10年かかる程で生きてるいるっていうのがちょっと嫌だったんだよね。(笑)

一同(大爆笑)

藤本君の今の持ち味はなんなの?

それはまだ確定してなくて、ある程度の事は一生懸命練習して、スタイリストになったらできるようになるじゃないですか?
でも、自分の持ち味とかこだわりとかが正直見つかっていなくて。
PEEK-A-BOOでいる限りはもちろんカットを突き詰めていきたいとは思っているんですけど、僕ら世代の人達でカットだけで売れるというのがどうしてもシビアだと思っていて、髪質改善や縮毛矯正やブリーチとかが世間では流行っているじゃないですか?
それを持ち味にしていきたいんですけど、それをどこから取り入れて良いかはわからなくて。
PEEK-A-BOOの中にもさっきの項目で上手な方々は沢山いると思うんですけど、まだまだ、上もいると思っているので、そういう人たちに対してどうやって戦っていったら良いのがわからなくて、それは最近の悩みではあります。

武器が欲しいんですね!?

「あるよっ」(笑)

HEROみたいなセリフですね。

絶対ここは使わないで。(笑)
でもさ、周りと戦ったってしょうがないでしょ?
まだ、24歳だしそんな得意とかなんとかより、好きなものを見つけた方が良いよ!
今うちの店舗だと、松永君はカラーめちゃくちゃ上手いし、涌波君だとストレートがめちゃくちゃ上手いし。

はいっ!そうですね!

今ってSNSがあるから、上の人とある意味では対等で意見を交換したりできるじゃない?
そういうのも、現代はいいよね!
世代的に若い人達は作品を編集したりSNSを活用したりできて、使いこなしてるから、そういうのを上の人に教えたりして、上のスタイリストは逆に技術を教えたりして交換して意見いいあって。
凄く良い時代よね。
僕らの時は、上の人が絶対でなんかずっと王様ゲーム負けてるみたいな状態あったもんね。(笑)

一同(笑)

確かに、そんな感覚ありそうですね!

だから、上の人が下の人に学ぶってことがなかなかなかったと思うんだよね。
同じ時代を生きて同じものを見てたから、生きてる年数が長い方が有利になっちゃうよね。
今は、若くても色々な情報を簡単に手に入れる事ができちゃう時代だから、それは凄く強みだからね!
大事にしたら良いと思う。

はい、ありがとうございます!

顔がカッコよくなったよね、本当!(笑)

ありがとうございます!(笑)
沢山質問ありがとうございました!


あとがき

久保木さんのアシスタントを経て、スタイリストになった藤本さん。まだまだ自分の美容人生で何をしたいか、どうなりたいかを模索中の中、今回久しぶりに久保木さんと話せてヒントをたくさんもらえたのではないでしょうか?終始緊張していた藤本さんでしたが、お二人のあたたかい関係性がこの空間に溢れていました。今後のお二人にも是非ご注目下さい。

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