2023.08.12
お客さまが “自分をもっと好きになる” そんな技術を提供したい by 杉本 光
今回のLOOK at me ! は学生時代は吹奏楽に没頭し現在はカットに魅了された明るく笑顔が素敵な 原宿店 杉本光さんと圧倒的な技術と抜群のセンスでお洒落が大好きなGINZA SIX店 横井亜紀さんとの対談です。
アシスタント時代の話から現在の悩みまで杉本さんが横井さんにぶつけていました。和やかな撮影現場でお二人の楽しいトークを是非最後までご覧ください。
おはようございます。なんか面談みたいですね(笑)宜しくお願い致します。
参考にならなかったらごめんね(笑)かなり前の話もする事になりそうだからさ。
全然です。参考にさせて頂きます。
実は私、大学行ったから同期とも4つ違うんだよね。
あっ、そうだたんですね。大学は何学部ですか?
文学部心理学科だよ。(笑)
全然わからない。(笑)
心理学勉強してました!
えっ!!!
待って。みんなその反応するけど、人の心は読めないらね。(笑)占いじゃなくて統計学だからね。
なんか安心しました。(笑)
大学生活してみたかったです!
4年間自由にさせてもらいました。(笑)
質問考えてきたので、お願い致します。
PEEK-A-BOOに入って1番思い出に残っている事は何ですか?
1番?1番って難しいよね?
確かに難しいですよね。私もすぐは出てこないです。
今でもあの時はねって思うのは、アシスタントの期間かな〜?なんか青春って感じがして。
アシスタントのスタイリストになるまでの期間が楽しかったし、めちゃくちゃ寝る時間も惜しんで練習して充実してたかな?
2ヶ月連続でテストがあって、それが年間3回だから、半年間ぐらいはテストのイメージ。
1回のテストで8課題くらいあったから練習してもしても追いつかなかった。(笑)
やばいですね。(汗)
朝練して、夜練して、家にウィッグ持って帰ってやったりして。みんなで頑張った青春!
テスト終わった後、飲み行って~みたいな。
飲み行くんですか?
全然行くよー!
直帰するイメージです(笑)
それは年齢とともになくなってきてはいるけどね。睡眠は大事だし、今は接客にも影響出るしね。
実際に、先日銀座に行った時に初めてお話しさせてもらって。
そうだよね!杉本さんてこんな面白い子なんだって思ったもんね。
私は怖いイメージでした。
怖くないよー!仕事の時に感情のせないからかな?なんだろ?喋り方かな?仕事の時は怖いって思われるかな?普段はそんなことないと思うけどな。
PEEK-A-BOOで残っている女性は強いイメージです!
それは強くなるよね!元々男社会だからね!強くならないと生き残れない!忍耐強くなるよね。
そうですよね。
全然怖くないからね。(笑)
あんまり自分を先輩って思ってなくて、若い子も1人1人良いとこあって、柔らかい雰囲気の子は親しみやすいし、撮影頑張ってる子がいたら聞いたりして参考にしたりするしね。
大先輩の大御所の方々に対しての礼儀とかそういうのは教えるけど自分に対してはあんまりそんなことないかな?時代的に今はそうじゃない?
順応していますね!適材適所ですね。
あんまり強制することがなくて、そういう考えなんだ〜!とか自分はこう思う!そんな考え方するんだ!とか。それは違って良いわけじゃん?
人それぞれ考えも違うからその違いを受け入れてるかな?
私も最近はそう思える時があるんですけど、昔はなんで?なんで?なんで?がありました。
先輩になればなるほどその人達の考え方もわかるから、それも間違いじゃないからその人の考え方を否定しないで全てを受け止めるようにしています。否定から入ると全てがダメになるよね。
年取ったら頭硬くなったりしません?(笑)
そう言う人もいるかもしれないけど、それは信念みたいなのが、強くあるからだと思うんだよね?
歳が離れるすぎると理解しずらいよね?
簡単には考え方は変わらないし、生きてるいる時代も違うし経験も違うから、後輩から言うのはなんだけど、それをどう活かすかを考えた方がチームがうまくいく気がする。
先輩と後輩を繋げるのが難しいんですよね。(汗)
自分自身はすぐ考え方を変えれば良いんだけど、擦り合わせるのが難しいですよね。
でも伝えるしかないよね?私はお互いをフォローしてるかな?
中堅層は何を考えてるか理解できるからそれをお互いのいい所を伝えるようにしているかな?
しっかりとした言葉でわかりやすいように伝えることが大切だよね?
1店舗に1人横井さんですね(笑)
昔に先輩から言われたことで、自分の見えていないところで誰かがやってくれていることがあるよ?って言われたことがあって、確かにそう言う視点あるなって。人によってみえてる部分違うよねって。これが何十年も前に言われたことだけど今も覚えてるな。
その言葉忘れないです!!!
確かにそうですね。
私同期3人が同じ店舗にいて、それぞれ見えてるところが違っていたから良いなと思っています。
年齢層が凄い広いサロンだから大変だよね!
私も結構中和剤になっていると思う。
私が今その円滑にする役割を担うようになった気がします。(笑)
話戻るけど、アシスタント時代に皆んなで切磋琢磨して練習に遊びに打ち込んだことかな?
先輩にもいろんなところに連れてってもらって色々経験させてもらって、めっちゃ遅刻もしたけどね。(笑)
私結構ポンコツでしたよ!(笑)だからアシスタントの遅刻は怒れませんね。(笑)
へぇ~勇気もらえます!
今はしないよ?(笑)
印象深いのは、ちょうどアシスタント時の先輩で森嶋さんや高橋学さんが誰よりも練習するから、営業終わるとサイドグラデーションのスタイルを当時流行ってたSPEEDの曲に合わせてひたすらカットしていたイメージが残ってるかな。(笑)
部活みたいな営業後で楽しく練習してたかな!
もはや何かに取り憑かれてますね。(笑)
私はPEEK-A-BOOの事をあまり知らずに入社したんだけど、今までは器用な人として生きてきたから成績も美容学校で1番でいたけど、ここに来てからみんな器用でびっくりした事を覚えてるな!
しかも私、左利きで右手に治したから遅れを取ってる感があってそれが凄い悔しくてめちゃくちゃ練習してそれが頑張れた要素かなと思うな。
負けず嫌いなんですね!
頑張れるって才能ですよね?
それはそうかもしれないね。
最近感じます。自分が頑張れなくなっている事を。自分の上限を自分で決めてしまいます。
もうちょっとアシスタントの頃の方ががむしゃらだった気がします。
そうだね。アシスタントの頃の方が目標がはっきりしてるよね?
スタイリストになるとかテストがあるとか明確だと思う。
スタイリストの方が自分次第で自分がどうなりたいかとかだから、定まりにくいよね。
何を頑張ればいいのかわからなくなる時があるよね?
途中でウダウダした時もあって、でもスイッチが入るとこれやりたいとか、これ頑張りたいとか。
ランクアップとか明確な目的も出てくるよね!
教育部*1やっていた時とかは、教育部って責任重大だなって思って決められたカリキュラムのスタイルを全部切って教えてもらったりしたかな。
*1アシスタントにカットを中心とした技術を教えるスタイリストによる部署
凄いですね!!
そうゆう目標の立て方をして、やり遂げるって感じかな。じゃないと何をやっていいかわからないからもったいないよね。
そうなんですね。ちょうど今の私くらいの時期ですね!
でも最近だよ、そうなったのは。
スタイリスト3年目までは、なんか迷いが色々あって、そんなに打ち込めてなかったな。
頑張ってて忙しくて、先輩が美容師さん達に教えるカット講習(出張)のアシスタントとしてついて行って…
休みないのに結果が出ないのか1番辛かったかな。
そうですね。なんか考え始めると、色々手を出してやらなきゃいけないことを探してます。
色々言われた事で心に残っている言葉があってね、同期に言われた事で、「こんなにいい環境を与えられてて結果を出せないのは原因は自分にあるよ」て言われてグサッと来て、環境のせいにするのはやめようと思えた。
先輩に言われた事でもあって、カリスマ的な人とコツコツ型の人がいるじゃん?って。
「横井は多分カリスマ的な人ではないからコツコツやっていつか大器晩成型でいつか花ひらくよ」言われてて、それが刷り込まれて結果でなくてもその言葉を自分に言い聞かせてやってきたかな。
そういうのって1人で働いてる人はないじゃないですか? だから良いですよね。
だから1人で働いてる人って強いよね。
私はひとりで働くのは好きじやないし、コミュニケーション取るのが好きだからチームにいるし、誰かしら見てくれていて、フォローしてくれる人もいたり怒ってくれるひともいて、役割分担もされていたりするから凄く良いよね。
私もそうです、この環境じゃないと無理だと思います。
誰かライバルがいて仲間がいて同期がいて後輩がいてとかじゃないと自分のエンジンがかからないです、勝手に思っているだけですけど。(笑)
ライバル大事だよね。同期とか一緒に切磋琢磨したけど、スタイリストなる前とかも先になってやるとか、なってからも売り上げ負けたくないとか?だからといってバチバチはしていないけど、いい刺激があったなと思う。
自分で自分のモチベーション上げれるのって難しいよね。それが1番良いんだけどね。
ちゃんと自分の目標作ったり本当すごいと思います。
でも目標立てるのは得意な気がする。
昔からテスト前には手書きで時間割作って、それ通りやって遅れたらそれを修正して、目標に対して逆算していって今何をやるかを組み立てるのは得意かな。
意外と長期的に10年後こういう美容師でいたいなと考える。
そういうのやっぱ考えるんですね!
めっちゃ考えるよ。10年はあっという間だから、10年後こうなってたいと思ったら、今これ頑張らないとなった時に苦労するなとか辛くなるとなとか考えて今を頑張るって感じ。
細かくは考えてないけど、将来どんな美容師になっていたいとか会社に残っていたらこういうポジション任されるんだなとか考えたら今これをやらなきゃとかを思えるかな。
ざっくりね。
考え直します!(笑)
若いうちは10年後とかは考えなくて良いと思うけどね!
1年後とかを考えた方が良いかも。
自分と向き合う時間を作れてこなかった気がします。今これをやらないといけないとか。
でもそうじゃないかな?若い時は。
私は入社が遅かったしウダウダしてた時期があったけど、ある環境の変化で当時忙しかった先輩のサロンワークから東京で開催された外の仕事はほぼ全部連れてってもらっていて、そのうち地方や海外の仕事も連れてってもらえるようになって、やっぱり引っ張ってくれてたんだなと今凄く思う。
自分にキャパもないし、対処能力もなかったから目の前のことをこなしていくことが精一杯だった。
それが、2.3年目になればもっとできるようになるしね。最初は誰でもできないと思うよ!しょうがないよね。
先々のことを考えすぎずに目の前のことを一生懸命やることが大事だからね。
そのほうがストレスもないしね。
それを癖づけたいですね。
それがあってるかはわからないよね?人によって違うじゃん!?
絶対準備した方が良いタイプなんですよ。
意外に!?
意外ですか?
土壇場でもできそう!度胸ありそうだし!
それでいうと、精神的には大丈夫なんですけど、対応力は多分ないです。(笑)
ノリでできちゃいそうなのに!
ちゃんと準備しないとです。
準備はしたほうがいいよね。(笑)
やる気スイッチを自分で押すのが苦手でやらなきゃとは思っているけどなかなか動かないですね。
もう一個あった!
同期がテストの時にあんまり本番があまり上手くできなかった時に言われてて、
「自信がないからできないんだよ。自信をどうやってつけるかは、練習するしかないんだよ」って!
自信ない時ほど準備した方が良いよね?
私は学生時代に、吹奏楽をやっていてそれでオーディションでメンバー選考があったので、極度の緊張する場面を積み重ねすぎて緊張することがなくなりました。自分でも本番慣れをしているな、と思っています。
逆に自分凄い冷めてるのかなと思っています!
凄いじゃん!冷めてはないと思うよ?
これぐらいやったから、これくらいはできるみたいのがわかるようになりました。
素晴らしいね!
それは、自分のことを客観視できるってことだから凄いことだと思うよ!
成功体験できてる事は凄い良い事だし、ないって人は居ないと思うけど、少ない人はいると思うから、沢山ある人はそれが凄く財産だと思うよ。
そうですよね!
スタイリストの売り上げあげるにはどうしてましたか?
結びついてはいないけど、飲み行ってたね!無理してたかも。20代の頃はよく誘われてたし人脈を広げるために行ってたかな?名刺配ったりしてたかな。
でも、1年くらいしてそれも辞めたかな。なんか大変だったしうまくはいかなかったな。
あとは、単純に練習は凄くしてたかな?
今の子達ほどデビューした時は技術はなかったと思うし、カリュキュラムの課題だけだとどうにもならないくらいで、実際デビューしてから初めて刈り上げしっかりしたイメージ。
だから、できないってわかっていたから、沢山練習したかな。
そうなんですね。やらなきゃと思って実際にやれるのが凄いです。
私達って対面だから、いい時も悪い時もダイレクトじゃん?出来なければお客様が嫌な思いするしね。申し訳ないし、自分も残念な気持ちになるじゃない?
そうですよね。悲しい気持ちになりますよね。
最近もまた、カット講習会の準備だったり社内イベントとかで沢山あるから練習しているよ。まだまだ、勉強することや追求することは沢山あるからね。
いやーPEEK-A-BOOですね。先輩とかもう練習しなくて良いじゃんて思っちゃいます。
先輩になれば、やればやるほど、あんな早くカットできないしコームワークとか無駄がない所作とか。こんなに奥が深いんだなとか、やればやるほどわかったと思っていても次の年には解釈違ったなとか思うな。
PEEK-A-BOOの人はみんなそう言いますよね。
アートディレクターの人って凄いっていうのが若い時より、より感じれるようになったね。
私、まだわからない領域ですね。(笑)
立場的なところはいればいるほど縮まるけど、技術の差をすごく感じる。だから、うまくなりたいなと思って練習してます。
最近特にカット講習会に行くようになってから、技術に関して凄く意識するようになりました。
アシスタントの時はどうでも良いって思っていたこともあったですけど、テストの時だけちょっと綺麗にみたいな?(笑)でも最後のテスト全然受からなくて大事って事に気づきました。
なるべくシェープの数を減らしたり意識してるしね。レイヤーとかめちゃくちゃ苦手だもん。
なんか希望見えなくなってきました(笑)
横井さんが苦手とか…。
杉本さんが15年前の私だから、そりゃこれからだよね!PEEK-A-BOOの人はみんなうまいなって思うもんね、本当!
上手いのに現状に満足しないじゃないですか!もう切れてるって、切れてるよって思いますもん!上手いのに現状に満足しないじゃないですか!
確かにね!
だめだわーとか言っていて、「どこがですか?」って思いますもん。
あんなに上手なのに、更に強い思いで常に新しいことを考えて楽しんでるもんね。
こう切るとこうなるよねとか、考えながらやってる様が凄いなと思うし、私はその人達が好きで職人だなと思うし、ここにいたらもっと私は成長できるなって思う。
そうですよね~。
あともうひとつの質問です。今、横井さんが27歳だったらやるべきことは何だと思いますか?
SNSとかかな?最近できてないしね。
でも載せてますよね?
最近サボってるけどね。
私は美容師向けではなくお客様に向けてやってるからな〜。
結局Instagramとかも、今からやっても遅いとか言うけどやっている人は沢山いるけど、やり続けている人はあんまりいないよねってYouTube見てて言ってる人がいて、なるほどなって思った。だから競争相手はそんなにいないよねって。
講習増やしたいのか、お客様増やしたいのか絞ってやると思うよ。
どっちも増やしたかったらどうですか?(笑)
アカウント変えてやるしかないよね?同じアカウントでは難しいよね。
そうですよね。
今私がその時に戻ったらお客様少ないから、分母をあげたいからお客様向けの発信のアカウントを頑張るかな。自分はこういう人ですっていう感じを出していくかな。
SNSとか以外のことは全てやってきたと思ってる。
その時で後悔してることはないかな?
凄いですね。
1個やってないことで言うと、もっと先輩を頼ればよかったなって思う。
お客様を実際に施術した時に、こういう場合でこうこうこうだったらどうですか?とか、ケーススタディみたいなのをもっとやればよかったなと思ってる。スタイリストになったら聞いちゃいけないみたい感じってあるじゃん?できない自分を認めて、もっと聞けばよかったなって思うな。そうすればもっと早く成長できたかなと思う。
それ以外のことは後悔ないです!(笑)
さすがです!私は、昨日も一昨日も後悔してます。
日々、後悔しませんか?
そんなに?起きたことはしょうがないからその先をもっと考えた方が良いよね?
楽観的だから、寝たら忘れちゃうんですけどね。(笑)
私も数日落ち込むことはあるけど、切り替えて戻れないしって思って次はこうしようって思うようにしてる。
発想の転換とポジティブが売りです。(笑)
考えてる時間が無駄だから次に向かって考える方が多い。
ポジティブが売りって凄いですね!
追い込まれたらカリカリしてて人に気を遣えないことはあるけどね。自分に一杯一杯で。
でもみんな付き合い長いし、理解してくれてると思うから甘えちゃってます!
横井さんと話してみて、考え方的に遠くなくて似ていたりすることも多くあるので凄く参考になりました。
そうだよね。同じような考え方の人が残っていて同じ価値観の人が多くいるから、いいと思うよ。やり続ける事が大切だよね。杉本さんは自分らしさがあっていいと思うよ。
そうですかね?
うん、凄い出てるから平気だよ!
結局PEEK-A-BOOの人達って熱い人が多いよね?私はそう言う人達が好きなんだな。
アシスタントの最後の方って技術を追求する人達が苦手だったんですけど、今はそれが大切って事がすごいわかります。
でも、「もうそんなやらなくていいよ」っては今も思います。
全員 (大爆笑)
あとがき
ほぼ初めて話したとは思えないほど、波長があっていたように思います。
終始笑いが絶えない楽しい対談でした!
二人のアシスタント時代の話やお互いの悩みやなどリアルの話が聞けて、これからスタイリストになる人たちにも参考になる事がたくさんあると思います。
必ず壁にぶつかるときはあるけれど、みんなそこを乗り越えてきているのだなと二人のお話を聞きながら感じました。
これからのお二人の活躍に期待しています。