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『チョコレートドーナツ』|境界を越えて繋がる、ほんとうの家族のかたち

更新日:2020.06.23

記事の前編はこちら

『インファナル・アフェア』|揺らぐ正義、交錯する運命——2人の男が選んだ道

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チョコレートドーナツ
原題:
Any Day Now(2012)98分
監督: トラヴィス・ファイン
主演: アラン・カミング、ギャレット・ディラハント

タイトルやポスターからは、どこかポップで軽やかな映画を想像していました。 けれど実際に観てみると、その予想は良い意味で大きく裏切られました。

これは「家族とは何か?」を真正面から問いかける、静かで切実なラブストーリー。 観ていて涙が止まらず、それでも観てよかったと思える作品です。

あらすじ

1979年のカリフォルニア。 歌手を夢見るショーダンサーのルディは、ある日、母親に見捨てられたダウン症の少年マルコと出会う。

やがてルディと弁護士のポールは、マルコを引き取り、3人での暮らしを始める。

次第に本当の家族のような絆を育んでいく彼らだったが、ゲイカップルであることから、周囲の偏見や法律の壁が立ちはだかっていく。

印象に残ったシーンと感じたこと

ストーリーが進むにつれて、ルディの“美しさ”がどんどん増していくのが印象的でした。 最初は少し奇抜に見えた外見も、愛情深くマルコと向き合う姿に触れるうちに、どんどん“魅力的な人”へと変わって見えてくる——。

誰かを心から愛することで、人はこんなにも変われるんだと感じました。

美容師として気になった部分

ルディの髪型や服装、そしてメイクに注目。 長い髪、ドレッシーな装い、さりげないアイライン——

そのどれもが「自己表現」であると同時に、現代のジェンダーレスなスタイルにも通じる洗練された美しさがありました。

ふたりの関係性や、時折見せるマルコのピュアな表情も、色彩や光の演出と相まってとても印象的でした。

この映画を通して考えたこと

物語の舞台は40年以上前ですが、描かれている問題は決して“昔のこと”ではありません。

法律や社会の偏見、そして「普通」という言葉がもたらす境界線。

人を愛する気持ちは、性別や血縁では測れない—— この映画はそんな当たり前のことを、優しく、でも力強く教えてくれます。

あとがき

涙なしでは観られない映画ですが、観たあとにはきっと、大切な人をもっと大切にしたくなるはず。

ルディの姿に、自分自身の表現や、人との向き合い方を重ねてしまう。

「家族は、選んでもいいんだ」

そう思えるような1本でした。 ぜひ、静かな時間にじっくりと味わってほしいです。

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