西尾さんを指名した理由は、真野美容専門学生時代に、美容学校にヘアーショーをやりに来てくださってカットモデルで西尾さんにカットカラーをやってもらった時嬉しくてずっとお話したいなぁと思っていたからです。6年目の今年4月にやっとスタイリストデビューできました!
西尾さんあの時のこと覚えてますか?
もちろん覚えてるよ!だし、僕の携帯に当時の池田さんの写真もバッチリ残ってます!見る?笑


うわーすごい!懐かしいです!ちょっと恥ずかしい気もしてきました。(笑)
当時からお洒落も好きなのが伝わってきていたしPEEK-A-BOO仲間になってくてたら嬉しいな、きっといいスタイリストになるなぁと思っていました。だから今日は嬉しいです。
お洒落な中でもPEEK-A-BOOのモードな感じのスタイルが特に好きです。当時のヘアスタイルもすごくお気に入りでした!西尾さんのインスタを見ててもヘアショーを見てても攻めたヘアスタイルでかっこいいなと思ってます。どこからインスピレーションをもらったりされてますか?
自分の中では攻めてると思ってないんだけどね。(笑)
サロンワークでは、ナチュラルとかモテな雰囲気とか、一人一人にフィットするようなスタイルを意識してるよ。
ただ、インスタグラムに載せてるのは、自然と自分が好きなデザインではあるかも。
「こういう路線で行こう」と決めてるわけじゃないけど、エッジィなスタイルはやっぱり好きなのかもしれないね。
映画だと、『ロミオとジュリエット』のディカプリオとか。
アジアの作品で言うと、『恋する惑星』に出てくるベリーショートの女の子。日常の中でどうやって恋愛していくか、みたいな描写がすごく面白くて、今でも印象に残ってるな。
最近気になってるのは、『エミリア・ペレス』っていう映画。もうすぐ上映終わっちゃうかもしれないんだけど、ちょっと話題になってて。内容が、メキシコの麻薬王が「第二の人生として女性になりたい」って願って性転換するっていう話で、そこに出てくる登場人物の衣装が全部サンローラン提供なんだよね。
赤いスモーキングジャケットとか、めちゃくちゃかっこいい世界観で、これはぜひ観たいなって思ってる!
碧さんは最近なにかあった?
私はパルムフィクションが最近見た中で刺激的でした!
タランティーノ監督のもいいよね!ハラカド店にそのレコード、置いてあるよ。
あのユマ・サーマンって女優さんのヘアスタイルもいいよね。
実は僕、あの人の前髪とボブの角度にこだわって、お客様にデザインしてるスタイルがあるんだよね。
えーかっこいいです!いいなって思うデザインをお客様に提案できるのが素敵ですね!まだお客様が少ないので私もそうなっていきたいです。

映画だけじゃなくて、僕、ジャケットマニアでもあるんですよ。
レコード屋に行くのが趣味で、昔はTSUTAYAに通うのも大好きだったな。
もちろん中身の音楽も好きなんだけど、それ以上に、表紙になってるジャケットを見るのがめっちゃ好きで。
ひたすら眺めて、頭の中に擦り込んでるかもしれない(笑)
お店に飾ってるのも、自分のお気に入りばかりなんです。
レコードって、気持ちを豊かにしてくれる気がするんですよね。
西尾さんがスタイリストなりたての頃に頑張ってたことってなんでしたか?
15、16年前なんだけど、サロンでいうと、僕の師匠の伊東さんは作るデザインがすごく面白くて、講習会もたくさんやっていて、そこに呼んでもらえる機会が増えてたんです。
その時に、仕込みのウィッグを任せてもらえるんですね。何なら、伊東さんが「こういうイメージで」って言うだけで、あとは全部任せてもらえるんです。ある意味ちょっと怖いんですよ。でも、そこがチャレンジだと思っていて、伊東さんをびっくりさせる、ちょっと面白いなって思ってもらえるようなデザインのカラーやパーマを一生懸命考えてたことを、今すごく思い出します。
もちろんたくさん失敗もあったし、夜も終電なくなって「やばい…明日提出なのにな…」みたいなのもたくさんありました(笑)
自然と、今思えば、たぶんがむしゃらに一生懸命やってたんだろうなと思いますね。
それが今もサロンワークに直結して活かされていて、自分の武器でもあるのかなと思うので、きっと今、蒼さんががむしゃらになって取り組んでいること——たとえば堀内さんの講習会についていったり、展開図を一生懸命書いたりとか——そういうのが絶対に糧になると思います。
蒼さんも、がむしゃらに挑戦して欲しいな。

はい、私も今堀内さんの出張について行かせてもらっていたりコンテストに出たりはしています。
コンテストはどうだったの?

お店の先輩たちがコンテストに出てる人が多くて、その影響で私も出るようになったんですけど、出るからには頑張りたくて。
エリアサーキットっていうウィッグを使ったコンテストでは、アンダー25の部門で3年連続で良い結果が出せました!
でも、まだまだ自信はなくて…これからも頑張ろうと思ってます。
とにかくもっとサロンワークで忙しくなりたいって思ってるんですけど、現実はそんなに甘くなくて、ちょっと焦りもあります。
負けず嫌いなので、今は休みが惜しくて、プライベートの時間もなるべく美容の勉強をするようにしてるんですけど、気づいたら全然休めてなかったりして、最近はちょっといっぱいいっぱいになってきてて…。
息抜きの仕方がわからなくなってるんですが、西尾さんってオンとオフ、どうやって切り替えてるんですか?
初々しい悩みで、当時の自分も同じようにあった気もするけど、アドバイスとしては、職場関係だけだとどうしても意見が偏りがちになりそうだから、何か好きなイベントとかに色々参加して、いろんなジャンルの友達を作るの、オススメだよ。
美容師さん以外の人の話はまた違った楽しさがあって、僕はカメラマン、スタイリスト、シェフとか、原宿近辺のイベントに参加して出会って、遊んで、刺激ももらったし、楽しかった!
その友達との関係を大事にしてて、一緒にいる時にそれが自然とオンオフになってたかも。
今でもカメラマンの友達とは月に一回食事に行って、大切な時間だよ。
けど、休み返上で挑戦してるの、とってもかっこいいと思う!頑張ってね。
はい!異業種の友達とのコミュニケーションって、あまり取れてなかったなと思ったので、まずは出かけてみようと思います。
ちなみに西尾さんって、毎日のルーティンってありますか?
私は…スキンケアとメイクをバッチリすることくらいで(笑)。
何か「これいいな」っていう習慣があれば、ぜひ聞いてみたかったです!
朝、娘と奥さんと会話をするのが、ルーティーンのひとつかな。
夜のうちに、朝に聴くレコードを用意してセッティングしておいて、音楽の中で家族と会話する時間が、すごく幸せなんだよね。
サロンでは、出勤したらまず朝の掃除をしっかりやりたいなって思ってて……それくらいかなぁ。
素敵ですね!憧れます。私は一人暮らしなので、テレビと会話してます(笑)。
次の日にお客さんと話す内容とか、ちょっとした小ネタを頭に入れてから出勤するのも、自分なりのルーティーンかもしれないです。
最後に、西尾さんが今思っている「これからの将来」とか、「夢」みたいなものがあれば、ぜひお聞きしたいです。

そうだね、これは多分ずっとぶれてないというか…。
自分がつくるヘアスタイルやデザインで、誰かを幸せにしたり、ワクワクさせたり、感動させたりできるような――そんな美容師になりたい、ずっとそう思っています。
20代のときに自分でつくった本にも、同じことを書いてたんですよね。
今は特に、原宿ハラカド店に入って店長にもなったことで、自分だけじゃなくて、チームみんなで“原宿”っていう街をもっと素敵にしていきたい、そんな想いも強くなっています。
西尾さん、やっぱりかっこいいです!
私は今は何事にもいっぱいいっぱいですけど、今日お話しして、いろんな人ともっとコミュニケーションをとっていきたいなって思いました。
そして、自分の「好きなデザイン」や「得意なこと」をもっと増やしていけるように、頑張ろうと思います!
今日は本当にありがとうございました。
こちらこそありがとうございます!これからの活躍期待しています!

あとがき
学生時代のヘアショーで、西尾さんが池田さんのカットを担当したことがきっかけで実現した今回の対談。読んでいてジーンときました。
スタイリストデビューを果たし、これからのPEEK-A-BOOでの活躍が期待される池田さんのまっすぐな努力と、今もなお進み続けるカッコいい先輩・西尾さんのアドバイスに目を輝かせる姿が、とても印象的でした。
お洒落なお二人のInstagramやサロンワークにも、ぜひ注目してご来店いただけたら嬉しいです!