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『セッション(Whiplash)』|音楽と狂気の境界線で揺れる魂のドラマレビュー

更新日:2023.10.03

坂本 樹紀

Juki Sakamoto

記事の前編はこちら

『AIR/エア』|エアジョーダン誕生の裏側にある、情熱と信念のビジネスドラマ

『AIR/エア』は、“エアジョーダン”誕生の裏側を描いた実話ベースのビジネス映画。成功の陰にある人間ドラマと情熱に迫る。

セッション
原題: Whiplash(2014)
ジャンル: ドラマ/音楽
上映時間: 約106分
監督: デイミアン・チャゼル
主演: マイルズ・テラー、J・K・シモンズ

はじめに

完璧を追い求めた先にあるのは、栄光か、それとも狂気か——。

『セッション』は、若きドラマーと鬼教師の壮絶な関係性を描いた音楽ドラマです。

美しいジャズの旋律とは裏腹に、観る者の感情を容赦なく揺さぶる本作は、「音楽映画」という枠を超えた、魂を震わせる一作。

心身を削って音楽にすべてを捧げる主人公の姿は、努力の意味や限界を考えさせてくれます。

あらすじ

全米トップクラスの音楽院に入学した若きドラマー・アンドリュー(マイルズ・テラー)は、学院内でも最も厳格で名高い指導者フレッチャー(J・K・シモンズ)に才能を見出され、彼のスタジオ・バンドにスカウトされる。

喜びも束の間、フレッチャーは常軌を逸した完璧主義で、アンドリューに対して怒号と暴力すらも辞さない指導を行う。

音楽に人生を捧げる決意をしたアンドリューは、次第に常人の域を超えた練習に没頭していくが……。

印象に残ったシーンと感じたこと

ラスト9分間、アンドリューのドラムソロ演奏シーンは圧巻。

手に血がにじむほどの激しい演奏、その熱量と緊張感は観ているこちらまで息を呑み、まばたきすら忘れてしまうほど。

フレッチャーとの“無言の対話”とも言える応酬の中で、音楽が支配する空気と、言葉を超えた表現が炸裂します。

「ここまでやるのか」と思わせる執念が、芸術と狂気の境界を突き破ってくる名シーンでした。

この映画を通して感じたこと

ただの音楽映画にとどまらず、「努力」「才能」「限界」「狂気」といった人間の本質を鋭く描いた作品。

フレッチャーの指導は明らかに暴力的で異常ですが、それでもアンドリューのように「本物になりたい」と願う者にとっては、通らざるを得ない地獄なのかもしれません。

J・K・シモンズの怪演が恐ろしくも魅力的で、見るたびに新たな感情が湧いてくる映画。

音楽や芸術の道を志す人だけでなく、何かに本気で挑んでいる全ての人に響くドラマです。

📌 こんな方におすすめ

  • 音楽映画が好きな人
  • 熱量のあるストーリーが観たい人
  • 限界を超える努力に感動したい人

🎥 視聴できる配信サービス

hulu
※最新の配信状況は各公式サイトをご確認ください。

あとがき

『セッション』は、音楽をテーマにしながらも、人生や人間の極限を描いた作品。

「本気で何かを極めたい」と願うすべての人に突き刺さる、魂のドラマです。

まだ観ていない方はぜひ、ラストの衝撃を体験してみてください。

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